まじめな話。

娘ふたりが幼稚園にお世話になるようになると、必然的にいろんなお母さんに
(つまりさまざまな家庭やいろんな考え方に)
出会い、自分や我が家について考える機会を与えてもらうこととなる。

単純に計算すると1クラス30人として年中、年長それぞれ2クラスずつの合わせて4クラス120人。
毎日のようにのべ120人が登園とお迎えを繰り返す。
もちろん全員が全員、お友達になることはないが彼女達ひとりにつき2年間通うのだから
(しかも皆さんご近所だし)知人やあいさつする方など含めると、ざっと100人ぐらいは顔見知りとなる。
それだけいろんな人が集まれば、新しい発見のオンパレードだ。

同時に、幼稚園のあり方や親としての姿勢、家庭教育、家族について、地域について・・・
といろんなことが見えてくる。
自分の住む市の体制や大阪府全体について、最終的には日本における政治のあり方と思いを
つなげざるを得ない。
独身の時はもとより、結婚してからも(もちろん全く興味がなかったワケではなかったが)
ここまで自らが暮らしている「日本」と言う国について、自分のこととして実感し、切実にとらえること
ができたのは、やはり彼女達の存在のおかげだろう。

上の彼女が来年の春から小学生になる。
最近のテレビ、マスコミ各種の報道を見て、全く不安がないと言えばウソになる。
まあ、ただマスコミの報道について、全てを鵜呑みにしているワケでもないし
(それはかなり危険なことと思っている!)
売れればなんでも書く週刊誌などには特に信憑性を見出せないでいるのだが。

肌で感じることを大事にした時に、間違いなく言えることはワタシが子供の時とは違うと言うこと。
もちろんいい意味でも、悪い意味でも。
わかりきったようにあたりまえのことだが、ここをしっかり感じとり、頭とこころのチャンネルを今に
合わせた上での思考や議論が大切だと思う。
特に、20代、30代、40代であるワタシ達が本当の眼を養わなくてはならない。
ワタシを含め、しっかりとしたものさしを持たなければ、未来は育たない。

子育ての環境について思うことだが、電化製品や便利グッズなど、物質的には、目覚しく楽になった。
実母と話をしていて、紙おむつだけとっても考えられないことらしい。
布おむつを手洗いしていた時代の苦労を考えると頭が下がる。
また、もっと昔の時代の主婦に思いをはせると今は本当にアリガタイことだ。
炊飯器も食洗器も洗濯機もなにもなかった時代。
住んでいる環境ももっと自然に近かった時代。
でも、そんな時代も子育ては今と変わることなく繰り返されてきた。
いのちを繋ぐ母の存在。
それは時代を超えていつまでも変わらないもの。

便利になりすぎて、人間が退化してしまったのではないかと思うこともあるが(笑)
正しくは便利になりすぎて、人との交流やコミニュケーションの場が狭められている現状が問題なのだと
考える。
また、核家族化が進み、ご年配の方との関わりが薄れ、個人主義によって地域のコミニティーが希薄に
なり、情報だけは簡単に手に取れるほど、まわりに溢れかえる。
情報なんてものはそれ自体に価値があるのではなく、それをチョイスし、実際の暮らしに役立ててこそ
意味がある。

インターネットやゲームなど、ある意味バーチャルな世界が広がり、自分と違う他人を受け入れる器
(いわゆる人間性、または人間力とでもいいましょうか・・・)がどんどん弱く小さくなり、そうなると
人とのつながりが面倒になり、こころに空洞ができる。
こころの成長がストップしてしまう。

インターネットやゲームが悪いとはけして思ってはいない。
ようはそれを利用する人間側の問題だ。
人間のつくりだした科学の誉れを人間が使いこなせていないのだ。
現に娘達がちいさい頃、インターネットがあるおかげで助かったことがたくさんあった。
モグラのような生活の中でちょっとした潤いを与えてくれた。
大好きなソファーを購入した時もそうだった。
年齢ではなく精神的に自立した本当の意味での人間が育ちにくいのが現代。
人は人の中に飛び込んでしか自分が見えないものだし、人の中でしか自分を磨くことは
出来ないからだ。
結果、豊かな子育てには厳しい冬の時代と言うことになる。

ワタシがまわりを見ていて感じること。
今のお母さんは真面目な方が多い。
お母さんとしてはとても優秀なのである。
それゆえにひとりでがんばりすぎている。
ひとりだと心に余裕やゆとりが誰でもなくなるだろう。
目の前のことだけ、自分の考えだけに陥ってしまう。
自分のことばかりになってしまう。
そうなればきっとワタシだって。

どんなに優秀な人でも完璧な人間はいない。
ワタシなんかは、彼女達のおかげで人間にならせて頂いている真最中である。
もちろん、死ぬまで勉強なのだが(笑)
彼女達を通して学ぶことはあまりにも大きい。
お母さんがたったひとりで子育てをするなんて、とんでもない。
パパは会社、誰とも話しすることもなく、育児書片手に、まだ何もできない赤ちゃんとふたりきり。
しかもそこそこの歳まで、バリバリ社会に出て働いて、こんな環境の劇的な変化にストレスを感じない
人間がいるのか?
普通、誰でも、頭おかしくなっちゃう!
ワタシには無理ですっ。

だからこそ、お母さんも赤ちゃんも、がんばって働くおとうさんも。
いろんな人と関わり、いろんな形の、いろんな世代の、いろんな色の、いろんな愛情をいっぱい受けて、
朗らかに暮らして欲しいのだ。
ワタシは、育児書なしの、動物の感で?出産から今日まで過ごした。
ワタシが育てたと言うよりは、勝手に育ってくれていた。
もっと言えば彼女達に育てて頂いた(笑)である。

もちろん、たくさんの方に助けてもらい、いろんな人に関わって頂いた。
人生の先輩方、経験された方々の体験に勝るものはない。
インターネットもスゴイが、おばあちゃんの知恵袋はもっとスゴイ(笑)
時には不安なことを相談したり、グチを聞いてもらったり。
そして、1点だけ子育てのコツを得たとすれば、お母さんがこころから笑っていること。
まあ、時には泣きながらでもいいの、お母さんが生きてることを楽しんでいること。
それが子供が1番ウレシイこと。
自分自身にとっても、ハッピーなこと。
女性が元気だと日本も元気だ!
その輪が広がることが世界を救うのだ!
そしてこの地球が浮かんでいる宇宙こそが生命(いのち)なのだから。

地球人


すべての生命が心穏やかに過ごせる日々でありますよーに。
人類がもう一度、自らが宇宙のひとつであることに気がつきますよーに。
世界中のお母さんが笑っている今日でありますよーに。